日本の伝統的な民間療法には
どんなものがありますか?
民間療法とは、一般の人々の間で長い年月に渡り語り継がれてきた病気予防や病気治療の方法です。普段の生活に根付いたものであり、医療費を払って治療を受ける医療とは区別して考えられています。その種類は食事や運動、民間薬である薬草やまじないによるものまで大変数多く存在し、いまや日常の一部としてごく自然に生活の中に溶け込んでいるものもあります。では、日本の民間療法をいくつかご紹介します。
もっとも有名な民間療法は湯治
日本の有名な民間療法のひとつとして、湯治(とうじ)と呼ばれる温泉療法が挙げられます。数日かけて入浴を続けることで温泉の持つ力を借り、人間の自然治癒の能力を高めるというものです。温泉に浸かることは疲れを癒すだけでなく、様々な病を治癒させる方法として古来より親しまれてきました。
風邪を引いたときにはたまご酒やしょうが湯
またポピュラーなものとして、風邪にまつわる民間療法があります。風邪を引いてしまった時の対処法として、「たまご酒」や「しょうが湯」を飲む、「ネギを首に巻く」というような方法を耳にしたことはありませんか。これらはすべて日本ならではの民間療法なのです。風邪予防のために日常的にうがいを行っている人もいるかと思いますが、実はこれも大変古くから伝わる日本独自の風習であり、あまりにも身近なものとなったために、民間療法であるということすら意識せずに行っている人がほとんどではないでしょうか。
医学的に研究される民間療法
そして数ある民間療法の中には、医学的見地からその効果の研究がなされているものもあります。あん摩や鍼灸がこれにあたり、どちらも古代中国から伝わったものが日本で民間療法として定着し、独自の進化を遂げました。そしていまや国家資格となるまでに至っています。
他にも、日々の営みの中には探してみると驚くほど沢山の民間療法があります。有効性が実証されているものからそうでないものまであり、効き目も人によって様々です。時には独自の判断で行い症状を悪化させてしまうこともありますので、見極めが難しい場合には無理をせず、早めに病院で診てもらうようにしましょう。