卵を食べるとコレステロールが
高くなると聞くけど大丈夫ですか?
1日1~2個の適量であれば、卵を食べてコレステロールが高くなるということはありません。
身体の代謝がよければコレステロール値は一定に保たれる
体内のコレステロールのうち、70~80%程度は肝臓をはじめとした体内の器官で作り出されており、残りが食品から吸収されます。厚生労働省による食事摂取基準によれば、1日の目安は男性で750mg未満、女性で600mg未満までなら摂取してもよいとされています。卵1個(全卵Lサイズ60g)に含まれるコレステロールは214mgのため、1個や2個で基準値を超えることはありません。
もし食品からの摂取量が多くなっても、人体はコレステロール値が一定の値に保たれるように、肝臓での生成量を減らす仕組みになっています。摂取する卵の量が増減しても、代謝が正しく行われているうちは体内のコレステロールの値自体は急に変わりません。
また、人間の体は約60兆個の細胞から成り立っています。コレステロールはそれらの細胞を構成する細胞膜の材料となり、細胞膜を強くし、支えるための成分となります。さらに生体機能を調節するための副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなどの構成成分にもなります。脂肪などの消化吸収を助ける胆汁酸の材料にもなります。そのため、コレステロールは体には欠かすことのできない成分です。
健康診断で値が高いと指摘された人は注意
ただし脂質異常症(高コレステロール血症)の方や、普段よりコレステロール値が高めの方は、摂取を控えるべきです。脂質異常症の方等は、食事から摂取するコレステロールと体内で作られるコレステロールのバランスを上手く取る事ができず、他の病気を引き起こしてしまう可能性が高まります。血中コレステロールの正常値である血液1dLあたり140~199mgを超えてしまっている場合は、1日に摂取するコレステロールの値は300mg未満が望ましいとされています。
食品からの吸収度合には個人差がありますが、健康な人であれば体の血中コレステロール値の調節機能により食品のコレステロールを過度に気にする必要はありません。それよりも食のバランスを考え、過不足がないように栄養を取ることが大切です。
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